[次いで足下の雛仔に目を落とし、] ついでと言っては何だが、 やっと吸血の妙味を学べたことではあるし、 麗しい友情に免じて触手《この子》から開放してやろう。[宝玉の杖の先で、雛仔の肌を覆う触手を軽く突く。なめらかな表面が感極まったかのようにふるふると振動したかと思うと、ゼリー状に緩く溶けて解け、膚の上を流れて落ちていく。それは瞬く間に床に染み込むようにして消えた。]