[新兵達の姿が見えなくなると、ディークの執務室の扉の前に控えていた兵に言付ける。]
ベルンシュタイン大佐からの伝言だがな。
酷くお疲れで、一刻ほど休息を取りたいと仰せだ。
用のある者は多いだろうが、代理が利くのであればそいつを使え。
今暫くは…… 俺からも、頼む。
[何事か問いたげな視線が向いたが、今ここで説明は行わない。]
…ありがとな。
[切実な声と表情とで何かを察したのだろうか。
兵が首肯するのを確認して、その肩をぽんと叩く。
自分の部屋とは別の方向に歩き出したのは、見知った姿を見つけた為でもある。]