− 東海上 − >>5[ 頭部に蹴りが命中したとはいえ、聞こえた音は金属のものだった。一度は揺らいだものの、バルタは槍を支えに、柳のごとき強靭さを見せて体幹を持ち直す。脳震盪は起こしていないようだ。明瞭な表敬の所作に、残心を解いて答礼する。] これほど──波長があう相手はめったにいない。 [ 技量もさることながら、対手への敬親を惜しまず微笑んだ。]