…門は。暴動は、抑えられたか?
[感情の起伏の乏しい声が、状況を問うた。
賊と口にすることはない。それは彼が止めた>>3:163から。
彼女がこの場にあるということは、恐らくそうだろう。
では門を押さえていたはずの、シュナウザーらはどうしたか。
ゆるゆると意識がまわる。人々の姿が目に映り始める。
確りしなくてはならない。
この有様では、リヒャルトをガッカリさせてしまいかねない。
自らを奮い立たせるよう、息を吐いて瞬きをした。
ぽつり。新しい雫が頬を伝い、血に濡れたリヒャルトの服の上に染みを作った*]