……っ!
[不意に、衝撃が伝わる。
物理的なものではない──精神的、魔力的なそれは、力を注いでいた結界が揺らぐ事で生じた事]
来たか……『
[これ以上、その侵入を抑え込むのは難しい。
八人の勇者たちが十分に休養を取れたか確かめる暇もなく、神官長は手にした四つの輝石を傍らの台へと置き、愛用の長棍を手元に呼び出した。
真白の上にあしらわれた銀の細工の中央で、大粒の真珠が煌きを放つ]
気配が二つ……ご丁寧に、上と下からの同時攻撃、と来るか。
一方だけでも抜ければ重畳、とでもいうところか?
[梢には聖神の聖域があり、根は文字通りの礎。
どちらが抜かれても大事なのは変わらない。
変わらないからこそ──為すべき事は、ただ一つ]