─ 高台の教会 ─
[街の人々から笑顔が消えて、それから数日。
海の見える高台でひとり、リュートを奏でる日々が続いた。]
こんにちは、お嬢さん。
私はディルドレ、旅の吟遊詩人のはしくれさ。
ひょっとして、デズモンド卿の縁者かい?
[>>7 小さな会釈に会釈を返すと、墓碑の前まで歩み寄り、問いかけた。]
たいした縁があったわけじゃないんだが。
皺ひとつない軍服を着て、真直ぐな瞳を向けるところがそっくりだ。
[返される答えに、遠い記憶の面影を懐かしむような笑顔を浮かべ。在りし日の御仁の話を請われれば、思い出話を語ってみせた。**]