まぁだからと言って、教会の命を物のように扱う所業に賛同する訳ではありませんけれども。
[吸血鬼が人間の血を喰らうこと、人間が身を守るために吸血鬼に刃を向けること、どちらにとっても"普通のこと"である。
それを理解することと認めることは違うのだと、己の身に宿る実験材料を確かめるように、腕の傷を見つめた。]
私は教会も吸血鬼も嫌いです。
[ぽつりと呟いた声は無意識の内に漏れて、それに気づけば目の前の男を振り返り、静かに苦笑を落とした。]
だから、そう言える貴方が少し羨ましい。
[名も知らぬ彼>>7の胸中など知らず、微かな羨望を瞳に宿らせ、何度か瞬きをする。
だからといってどうなる訳でもないと肩を竦め、二度と彼を仰ぎ見ることはなかった。]