[ 携帯端末で所在地を確認し、到着して見ると、いかにも無骨で頑固そうな親父が、どっしと座ってタバコをふかしていた。 ]
ボルトとナットが箱でほしいんですが……。
[ 親父は割れた顎で場所を示す。全く営業する気がなさそうだ。
シュテラはどこでこんな店の商品を知ったのだろう?
底あてのついた段ボールを小脇に抱えると、サイズの割にずしりと重い。
あれ? もしかしてこれ、最後にすべきだった?
財布と一緒に、少しためらってから名刺を出す。 ]
今日、クレモトさんに会った時に貰ったんですが。
[ 親父はちらりとだけ一瞥し、
「どうだった?」と聞いた。 ]