[神父不在である花盛りの村へ、毎年派遣される神父として、急遽、決定されていた神父と入れ替わる形で、夏至祭に合わせて花盛りへ赴く旨を言い渡された]
ぎりぎりまで正体見せる気はないからな。
この村、祭りの準備に今は閑散とした人も少ない村なんだろう。
そんな場所じゃ狩人もまずいないだろう。
教会は、俺に死ねとでも云ってるんですかねぇ?
当然、俺は俺のやり方でやらせて戴きますよ。
死ぬのはまっぴら。生きる為なら多少の犠牲も仕方無いだろう?
だから余程の事が無ければ、俺は絶対に名乗り出ない。
[それを告げる司祭へ、不満を隠す努力もせず。
然し最終的には同意し頷いたことで。
ジムゾン・フォーゲルシュタインの、花盛行きは決定されたのだった]
― 回想了 ―