薔薇……、
[ローゼンハイムの逃避めいた呟き。>>0
零れた銀線の花びらが立てたあえかな音。>>17
それに意識を引き戻されて、きゅっと唇を噛む。とっさに、この力の事を明かして全員の無実を証明しようかと思ったのだけれど――『見る』には時間も体力も使う。せいぜい一日一人がいいところ。
今夜辺りには、ってなんだか意味深だ。
何か、自分の力を仄めかしてるみたいで。
警戒心で心臓が小刻みに鼓動を刻んでいる。
ローゼンハイムさんにも能力があるのかも。
ローゼンハイムさんが犯人……人狼なのかも。
殺人犯を付き出せ、と言われたなら話は簡単だったのに、どこかでお伽噺を信じているのを否めなかった]