フッ……頼もしきことよ。
如何なる存在であろうと、我が意を阻むことは出来ぬ。
しかしそれも、そなたの露払いあってのこと。
[目覚めた直後、名ばかりの魔王に過ぎぬ頃から、タイガはよく仕えてくれていた。
名ばかり、とはつまり、その名を欲して寝首を掻かんとする魔族が多く出現した時期でもある。
勢力図だけを見れば、魔王以外の魔族につくのが得策とも見えた時期――それでもこの配下は忠実に魔王へ従い、敵対する者あらばその力にて捻じ伏せた]
[彼の忠義の本質は、より強大と思える存在へも立ち向かえること――と魔王は見ている]