――回想:2日目――
[フィオンに練習と昼食の誘いをかけたのは、初対面時に彼を勝手に誤解したことへの言葉のない謝罪のつもりだった。>>17]
基礎練、良ければ付き合おうか?
[快諾してもらい訓練場で基本的な徒手格闘を行った。
カスパルが訓練を付ける立場とはいえ向こうは立派な軍人だ。新兵に対してのものとは異なり、油断は出来ない展開が続く。
何回目かの攻撃を受け流しながら、体をひねり背中から床に叩き付け、体重をかけて上肢を拘束する。参ったとの声を聞けば力を緩め、床に倒れたままのフィオンの腕を掴んで引き上げる。
まずは真っすぐに立たせてから、肩の位置をなおし腰に手を置いて重心を落とさせた。]
体幹をもう少し鍛えた方が良いな。
重心が高いから飛ばされやすい。
[頭の位置はいいから足の運びを、と僅かなズレを都度修正しながら他の訓練の要望があれば時間のある限りは応えただろう。]