くっそ…
休めると思った矢先にこれかよ…!
[ダーフィトは足を止め、踵を返す。
船に乗り込んでいる乗客や乗員は多い。
おまけに、これほど騒々しく騒ぎ立ててくれたのだから
パニック状態になっている者も多いはずだ。
乗客の避難誘導は乗員の義務と理解していた。
…例え、普段は怠惰な勤務態度であろうとも、だ。]
歩ける奴は第一エリアまで急げ!
避難艇に乗り込めばあとはどうにでもなる!
[声を大にしてパニックに陥った乗客やら乗員やらに
避難指示と檄を飛ばしていただろうか。
粗方避難が終わったと見えた頃合だっただろう。
突然空間が歪んだような圧力が押し寄せ、
衝撃がダーフィトの身体を突き飛ばして壁へと叩きつけた。]