――く…、…うッ…
[なんだろう――身体が熱い。
実際に結界を張るのは初めてだった、これほどまでに重たい加重に膝が笑う。
>>0:450胸の奥から込み上げる咳を無理矢理に堪えてユーリエの様子を窺うと、彼女もまた同じように耐えていた。
ここで自分が膝をつくわけにはいかない、必死に加重圧が馴染むのを待つ。
聖なる結界を張るに当たって、この現象が現れるのは知っていたが、流れる血流に沿うように無数の痛みが刺すとは思わなかった。]
……――はい…
[身体を流れる血にぴりぴりとした痛みが残る。
>>2ソマリの声に混乱しかけた意識を呼び戻され、彼にうなづきを返すと、まだ痛みの残る四肢を叱咤して。
共に城内へと石畳を歩き出す。
無事に結界を張ること出来たのは、聖女である母の血であり。
そして、初めて感じるこの痛みが同じく顔も知らぬ父親に起因することなど、気がつかぬままに。**]