[色んな人から話しかけられる新人様っぽい人かわいそう、みたいな感覚はなかった。
何せ人が寄ってくるのは彼女の人望である、多分きっと。]
[歩き去ろうとしていたのを彼女が呼び止めたか否かは兎角も、俺は笑ってみせる。
いやいや、彼方さんとは知り合いだけれども(以下略)とかの、関係性は口にしない。
尤も、彼女が「ファルコナー」で知っているのか、「ソマリ」で知っているのか、
それとも「本名で知っている」のか、「全く以って知らない」のかは俺がまず分かっていない。
諜報者だから軍部の人の名前、姿、階級くらいは把握しているつもりだ。
だからこそ俺自身が知っているのかいないのかが今一つ曖昧なのだが。]*