―シルバー・メリー号 第3エリア 花屋Florence―
ふふ、今日も綺麗に咲いてるわね。
[色鮮やかに咲く花を眺め、満足げに呟く。
そっと花びらを一撫でして、すうっと大きく息を吸い込んだ。
芳醇な花の香り、そして宇宙船に乗っているにも関わらず、土の匂いをかみしめる。
バイオ何とかかんとか、とかいう小難しい技術が応用されて、省スペースで花や、薬草を栽培することが出来るようになったのだから、技術力の進化には驚きだ。
棚状にならんだ土の上で、多種類の草花が芽や花を咲かせているのを見ながら、頬を緩めた。]
……っと、今日はこのくらいでいいかしら。
そろそろ、お腹が空いてきたわ。
ジョニー店番お願いね!
[朝の手入れを終えて、ぐぐっと伸び。
店舗を構え、花や、調合した薬を売っているが、あまり需要は多くない。
とはいえ、一定数の常連客はいるのだからありがたい話だ。
長い船旅には癒しも必要ということだろう。
それに、どこにでも漢方類の自然派薬品を好む人たちはいるのだ。
……意外とよく効くしね。
パチパチと数本、数種類の花を摘み、痛まないように処理を施す。
たまに要望があるので、何種類かのブーケも作って専用の斜め掛けバッグに入れた。
そして奥の栽培施設には鍵をかけ、ドロイド、ジョニー・デップ(ドロイドの名前だいけめんである)に店番を任せる。
さて、朝ごはんに出発だ。]