わかった、必ず連れて来るから。
お嬢さんは、お袋さんと一緒にどこかで待ってな。
……ああ、ここの近くに食堂があったろ? うん、あそこなら俺も迷わないでいけるから。
[片膝ついて目線を合わせ、穏やかな口調で呼びかける。
少女は大きな瞳からぽろぽろと滴を落としつつ、青年をじぃ、と見上げ。
リリィをお願い、と訴えた後、傍らでやり取りを見守っていた母親にぎゅう、と抱きついた]
おう、任された。
……戻って来たら、とびきりの笑顔での出迎え頼むぜー?
[軽い口調でそう言って、心配そうな母親に目配せする。
心配ご無用、と言わんばかりの仕種に、母親はお願いします、と告げて表通りの方へと戻っていった]