― 天上宮・庭園 ―[特に宛もなく歩く内、感じたのは良く知る木気と、馴染み深い火気。火気の方は自らが呼んだものだから、いるのは当然、と捉えるものの]……やはり、来たか。[木気の主に対し、零れるのはこんな呟き。幾度となく、戦場《 いくさば》で背を預けしもの。こちらが動けば来るであろう事は予想できては、いたが]……手を煩わす心算は、なかったのだがな。[そんな呟きも、続いて零れた]