[地面に落ちゆくその姿に、ああ。と思う。左手で掴む曲刀をしかと握り息を深く吸い込む。]──ウェルシュ、 ウェルシュ・ツヴァイク!![それと見える姿に向けて、呼び寄せるように声を張り上げるのは、士官として連ねられた名前ではない。]そこにいるか![馬首を見える姿へと差し向けながら、曲刀の腹で向い来る帝国の一兵の頭を強く殴り、昏倒させる。]