― 非常階段 ―[既にこと切れて動かないダーフィトの亡骸。力を失いがくりと、あらぬ角度へと項垂れた、その首筋から流れ落ち、フロアを濡らす血に。視界が一瞬、真っ赤に染まった。息が詰まる。収まりかけていた頭痛が、深く刺し貫くように頭蓋を揺らせば。壁に凭れ、頽れた遺体へと、ふらり、歩みを――] ――ッ…![それを止めたのは、ガルーの意志ではなかった。その傍らに倒れ伏す>>14、血塗れの白衣の男の姿が視界に入れば、切れかけた糸が紙一重、繋ぎとめられ。青年は男に駆け寄る。]