[カタリナを探しながら、食堂で見たジムゾンの表情を思い返す。幼馴染はずっと自分の手を取って隣にいてくれるだろう。そしてじぶんもまた、その手を離さず一緒にいる。
言葉にすればごく簡単な、そして何より自らの欲求に対して忠実なそれが、これからもたらす結果に、男は真っ直ぐ正面からぶつかるつもりである。]
……。
[カタリナは、最初に足を向けた自室ではなくヤコブの部屋の前にいた。見てしまったのだと悟っても、感情には何の変化も起きない。
そうして感覚が麻痺し慣れてしまった己が少しだけ嫌になった。]
その通りだ。
[誰が、どんな理由でとは口にせずに、カタリナを肯定する。
ヤコブに直接手を下したのも決定したのも自分一人だけれど、ジムゾンが隣で支えてくれなかったら、オットーやシモンが体を張って守ってくれなかったら。今日の状況にはならなかったはずだ。
それを考えれば、やはり”皆で決断し実行した”と考えるべきであろう。*]