―2日目・AM9:30・第五訓練場―
…俺からすべてを奪った奴が、どうしようもない程
[それが答えなのだと今まで口にしなかった叫びをこの男>>17に吐露した。
そう、家督を継ぐその弟は両親と違い、優しすぎるくらいの真っ直ぐな子に育っている。
血の繋がらない事を知ってもなお俺を兄だと慕うあの子。
最後まで俺に家督を継がせて欲しいと、まだ9歳のあの子は親に抗議をしていた程なのだ。
そんな子を誰が疎ましく思えるのだ。嫌いになれるのだ。
だから両親は弟を人質にこう言ったのだ。
『大切な次男の人生に汚れは付けさせたくないだろ?』]