[呪文の詠唱にはそれなりに時間が掛かる。
体術も一応習いはしたが、御世辞にも向いているとは言えなかったので、技術として学んだのは最低限のものだ。
まだ輝きを失っていないアンクレットが一つあるので盾の魔法はあと一度だけ張る事が出来るか。
時間をかけて水の気を染み込ませなければ、魔法を使用して輝きを失ってしまったアンクレットは只の飾りだ。
この後も戦う可能性を考えると、使いどころは考えねばならない。]
――レオ、準備が出来たら言って下さいな。
[身体を軽く動かしながら、少女はこれから対峙する相手に声を掛ける。
あまり時間はなさそうではあったが、互いの気持ちを大事にしたかった。]