― 談話室 ―
[ほぼ全員が集まった頃を見計らい、村長は口を開く。]
……ニコラスくんのことは残念だ。
[会話した時間は短かったが、善良そうな人間であったという印象は残っている。]
私の似顔絵に、丸が付けられていたという件だが…
私は私が人間であると知っているので、これは下手人が私を陥れようとしているのだと判断する。
考えてみたまえ、ニコラス君の部屋は、手がかりどころか、獣の毛一本落ちていなかったのだろう?痕跡を消していく者が、隠されたわけでもない、机の上にこれ見よがしに置かれたダイイングメッセージに気づかないと思うか?私がそこまでマヌケに見えるか?