[酒を口に運びながら、金庫開封の顛末を具に見る。
兵達もあの手この手でこじ開けようとしたようだが、金庫はとてつもなく頑丈らしい。
魔術師がいた街の押収品だ、魔法がかかっているのかもしれない。
それでもファミルなら開けられると思ったのは、圧倒的な力を持つ故。
力こそ全て、を地で行く帝国を体現していると言えよう]
[そんなファミルから以前、男の
急所の狙い方や腕の振り方を教えたりもしたが、どうにも合わなかったようで。
個人指導は早々に終わりを見せたのだった。
何故急に教えろと言われたのかは、男は理解していない。
陛下の気まぐれだろうぐらいにしか思っていなかった]