[扶翼官殿を目的地へと連れて。さて、政治的なやりとりが成されている頃、己はどうしていたか。複葉機の側で待機をして。じ、と扶翼官殿の帰りを待つ。耳を欹て、音を聴く。目は鋭く、しかしただ只管に静かに帰りを待つ。少しでも異変があればすぐに駆けつけられるよう。黒鞘の短剣一つあれば数名程度ならば払いのけ、中へ飛び込んで。その首を掻き切ってでも助けるつもりで。しかし、その短剣の出番はなかっただろう*]