人狼物語−薔薇の下国

238 奪還試験


没落貴族 リエヴル

― 太古の樹海 ―

[そして、入り込んでしまったのは深い森。
 どう見ても危険な地域だ。

 杖をつきながら、もし、野犬や獣の類が出れば、
 今までとは違い、魔界に干渉してしまった身は、その存在を弱肉強食に組み込まれてしまうかもしれない。]

 ――……
 僕が滅びることで、彼が、そして、家が再興するのであれば、
 もう命など惜しくはないのだがな。

[そんな達観したことを言い始めたのは、怪我をしたことで、貴族としてのステータスを誇る寄宿学校への入学を断念し、傾き始めた家から幾人もの雇い人を暇に出し、
 そのうちに疲れきったかのように亡くなった父、
 父亡き後、実家に帰らざるえなくなった母、

 兄弟もなく、己自身のみのために、勉学をなして、わずかな領地を統治し、もはや名ばかりの公爵の名前を飾りつつ、あきらかに清貧な生活を送り始めた頃だろう。]

(18) 2014/08/18(Mon) 00:22:59

SWBBS V2.00 Beta 8++ あず/asbntby