参ったな……どこに行っちゃったんだろ。
[かり、と指ぬきの皮手袋に包まれた手で頭を掻く。
何かあればすぐに分かるだろうけれど、何かあってからでは遅いのが、あの兄だ。
少年の装備は、前を歩くバルタザール>>9に比べれば、遥かに軽い。体つきも小さく、本拠地に乗り込むにはあまりにも頼りなく見える。
それもその筈で、少年が得意とするのは直接的な戦闘ではなく、身軽な体躯を生かしての潜入と諜報だった]
……セルウィンさんと違って、放っておく訳にもいかないしなあ。
[バルタザールらのやり取りを聞いて>>11>>13>>15、はあ、とため息ひとつ]