― 集会場/広間 ―
ああ、気にしない気にしない。
村にいない事の方が多いからねぇ、ぼく。
[気にしない、と言いつつ手をひらひら振って見せるが、その仕種は俯いた赤には届いたか。
こちらが墓守の事を見知っているのは、滅多に戻らぬ自分の代わりに家の墓を守ってくれている事への感謝があるから。
だから、ちょっと思い出せないくらいなら気にしない……というのは、口に出した事はないのだが]
災難だけどまあ、仕方ないね。
天災ばかりはどーしようもないもの。
[自然には勝てない、というのは旅暮らしで身についているからそう割り切って]