―― 寂れた村 ――[ 荒れた大地の広がるそこは、豊穣とは縁の遠い場所。 強い日差しに嬲られた家屋の壁は色褪せ、屋根に使われた煉瓦には細かな亀裂が入っている 砂と岩の色が支配する風景の中、村の中央に設えた祭壇だけが、花に彩られている。 そんな光景を空の上から眺めつつ、やがて降りるに程よい場所を見つけたならば] ―――……。[ とん。と降り立ったのは、村から程近くに積まれた石の上。 吹き抜ける風に衣服の裾が揺れるに任せ、ただ村を見つめていた*]