「それ、最近みんなやってますよ。
“アースガルド王国を倒せ”でしたっけ?」
うん。
「誰が作ったんでしょうね、そんなピンポイントなゲーム。」
手前サマ。
「えっ。」
[通信士の彼は、見事に男を二度見した。
にんまりと笑った彼に、通信士はただただ「この人のアースガルドアレルギーとんでもない。」ということしか考えられなかった。
自分が作ったって?そう言ったのか?本当に、この人はそういうところに無駄に労力を注ぐ。この人機関部っていうか、娯楽部、なんて思わざるを得ない。
曰く、家族を殺され、国を追われる羽目になったと。
だけど、本当かどうかわからない。この人はすぐにホラを吹く。
本当かどうかわからない。言うこと全部軽々しくて、ちっとも中身が詰まっていない。]