[戦闘に不慣れな彼女を是非、と推したのは教会側だ。
脆そうに見受ける肢体とは別に、力を有しているのだろう。>>16
しかし―――、]
……俺には普通の女の子に見えるんだがね。
[ひっそりと口腔で漏らして、
手綱を得ると振動を起こさぬように躾けられた白馬に並ぶ。
元々気性の荒い馬ではなさそうだが、
馬にすら慣れないだろう少女に粛々従する馬の胴を撫で。]
一応、聞いておくが、君。
司祭連中から何か言われているか?
[『何か』と暈して、この作戦の指揮を取る自身にも
伝えられていない彼女の秘された力を暗に示す。
流石に無力な少女を魔物討伐には宛がわないだろうが、
さりとて五年後に期待したい少女が無残に果てるのは目覚めが悪い。]