[丸太が転がってきているのを見たトールは大人しく回り道をすることにした。こんなものは馬鹿正直に超えて行く方が骨が折れるというものだ。
来た道を引き返し脇道に入ったところで視界突然奪われた]
っ、何だ……?
[一瞬焦ったが、命にかかわるものではない。
そう判断し冷静に今身に降りかかって来ている(物理的に)何かを掻い潜ったら、どうやら投げ網だったようだった。
いや投げ網って何よ。
困惑と怒りの入り混じった頭ですたすたと足を進めていたが、一向に目的地に着きそうにない。
仲間内には気が長くて温厚だと言われてきたトールも流石に苛付いた。
幻術の類なら、さっさと領域外に出てしまえばいい。
二階の渡り廊下の窓を開け華麗に飛び降りて中庭に着地した]