随分と殺気ビンビンだな、すぐ分かっちまった
そんなに俺の事殺したかったのか、よっ……!
[懐に片手を入れて果物ナイフを掴み、会話も殆どしないままナイフを懐から取り出しては鞘から抜いて
その鞘をクレメンス目掛けてぶん投げた。
向こうに先手を任せるのも有りだったが、殺る気がある事を見せて更に煽ってやろうという魂胆。
クレメンスが男を簡単には死なせないで殺すつもりだと分かっていれば、そんな小細工のような事はしなかったかもしれない。
しかし、もう鞘は相手目掛けて投げてしまっている。
鞘を諸共せず突っ込んで来るようなら果物ナイフで表面上の応戦をするつもりだが、鞘に気を取られて注意が逸れるようなら横っ腹に蹴りを繰り出そうとするだろう。
こちらが優位に立っていると死神が判断すると、時々油断して手足に寄生して危険を避けようと動くのが遅れるから
死ぬつもりでいるのにこちらからも仕掛けるのはそれ狙いでの行動もある。
開戦の合図になるだろう牽制だが、果たしてどう転ぶか。*]