― 軍議の前:帝国前進拠点某所 ―[確かにカレルだと、ベリアンが語る。>>4:606分かっている。念を押されるまでもないのだと。こいつだってあいつを間違う筈がないのだ。剣筋も声も姿も、真っ直ぐな瞳だって、同じ場所で、近い場所でずっと見てきた。] そう……だ ろうな。[は、と乾いた声が喉から搾り出される。わざと明るい声を取り繕うかのような、空々しさ。心の奥に、とんでもなく大きな穴が開いたようで、頷くのにすら失敗した。]