[ しばらく、考え込むように動きを止めていた占い師は、突然、露台に広げたお守りや占いの道具を片付け始めた ]
『なんだい、結局おまえさんも店仕舞いか?』
[ 隣で同じように片付けを始めていた店主がからかうように声をかけてくるのには、まあね、と、曖昧な笑みを返す ]
ちょっと、心配な友達のことを思い出しちゃってさ。
[ 商売道具一式は、纏めれば大きな鞄に全て収まる量だ。その鞄を斜めがけにして、隣の店主に、小さな紫水晶のついたブレスレットを手渡す ]
これ店番のお礼。君も気をつけて。
『あ、ああ、ありがとな』