―宿屋へ―[歩く先、やがて広場を通れば静まり返っていた。もう、ここへ戻ってくる人間はいないのかもしれない。……もしかすると、青年でさえ。少し前にここへ来た時とは何もかも変わってしまった。既に――…戻れない場所まで。短い郷愁を払うように、ひとつ。咳払いをすると、青年は広場を後にしたのだった。]