私も、病院に連れて行ってください。
[唐突に自警団員に声をかければ、皆の表情が固まるのが分かった。]
連れて行ってくれないなら……ここで、喉を刺します。
[台所から拝借してきた果物ナイフを手に宣言すれば、空気が凍る。
ローゼンハイムの怪我は、彼らにも傷を残しているのだろう。]
(ごめんなさい……)
[心の中で謝罪をしながらも、喉元にナイフを突きつける手は緩めない。]
もう一度言います。
私も、病院へ連れて行ってください。
[それから了承を得るまで、どれくらいの時間を要しただろうか。
アルビンの報から遅れて、自身がお見舞いに向かうという件も、自警団員の口から聞くことができるかもしれない。]