― 森の奥 ―[風が吹かない夜。獣も鳥も草木も、息を潜める暗黒] … [みつけた。 膝が折れる。冷たい草の上に跪いて、俯けばバタバタと鼻血が地面へ散った] 我が父 バラン きました──[ただ殺して奪った心臓ではなく、生きたままの姿の方が貴様は嬉しいだろうと、低く嘲笑する。嗜虐の者。 この人を損なえるものならば試せばいい]