― 天翼の領域 ―
[ご機嫌な竜の様子に、和むものを感じつつ。
提案に同意したシェンが、六翼に向ける言葉>>9に、僅かに目を細めた。
六翼は何も語らぬものの、銀色の瞳を僅かにそちらへ向ける。
ささやかな仕種は、何も届いていないわけではない、と感じさせるもの。
ゆっくりと下降してきたゾフィヤが、問いを投げかける。>>15
銀色の瞳が、僅か、戸惑うように揺れて]
『……何故、私を案じますか。
私は、本気であなた方を排そうとした。
故に、あなたたちは相応の意志と力を振るった。
その結果を気に留める必要がどこにあるのですか』
[逆に、投げ返されたのはこんな問い。
声音にあるのは、本気でわからない、と言わんばかりの響きで]
……ほんとに、もう……。
[思わずぼやくような呟きが、落ちていた。*]