[薄く笑みを浮かべたドロシーの言葉に>>12、もう遅かった事を知る。
体が発症予防薬を拒否をするのならば、もう発症していると見なしてよいだろう。
同じ苦しみを彼女が味わうであろうことに絶望する。
それを彼女が悲嘆していない様子には困惑する。
だが、どこかには淡い喜びもあった。
――今度は、望みを叶えてやれる。]
……ああ、あなたが否というまで。
[掌に置かれた白い手を握る。>>14
かつての最期を思い出し、機械的に手の甲へ唇を押し当てた。
[唄では、狼はかつての愛し子を喰らって泣いたという。
ドロシーの「かつての愛し子」はどこにいるのだろう。*]