― あかい色のこちら側の想い出 ―[最初は、本当にわからなかった。見ず知らずの自分に手を差し伸べてくれる、その意味が。自分がどこから来てここにいるのか、居場所がどんな事になっているのか──そんな状況を理解する余裕なんてなかったから。取り残される事への懸念>>1:427なんて、気付けるはずもなくて。ただ、その時にひとつ言葉を抱え込んで。でも、それは言っていいのかどうかわからなくて──結果]