ー昨夜、とあるビル群にてー
よおカスパル、てめえの腹ん中、探らせてもらうぜ。
[そう言って…は銃を構える。本物の銃ではなくエアガンではあるが、撃ち出すBB弾は銀を少量混ぜた特別製。狼に当たれば、BB弾が当たった以上のダメージを与えるのだ。]
「な、なんだい急に。落ち着いてくれよ。僕が何をしたって言うんだい?まずはその銃を下ろしてくれないかな?」
[カスパルは狼狽する。当然だ。向けられているのがエアガンだなんて微塵にも思っていない。]
人狼騒ぎが起きた時、いきなり村の外から赴任とか言って入ってきたお前を疑うのは必然だろうが。それとな、俺様はお前のそのいつもニコニコした顔がな、「アイツ」を思い出させるから大っ嫌いだったんだよ!
[そう言うや否やトリガーを引く。特製BB弾がカスパルに当たろうかという瞬間、カスパルの姿が空中に溶けて消えた]
な、消えただと!?
[接近戦で相手の姿を見失うことは死を意味する。…の背中を冷たいものが走る。神経を尖らせカスパルの気配を探る。が、一向に見つからない。
その内警戒を解き、…は一つの結論に辿り着いた]