―朝―
[どこか遠くで何かが割れたようは音が聞こえた>>10ような気がして眠りの世界から現実に戻る。
まだ寝ぼけ眼で、音が夢なのか現実なのか、はっきりしない。]
(ん…朝かぁ…)
[目を擦り、体を伸ばす。ベッドサイドでへたりこんで寝てたので、伸びが心地よい。]
(あの音が現実なら、ホールの向こうの食堂あたりで、誰かにコーヒーを入れようとしたゲルトさんがまたカップでも割ったのかなぁ…)
[ゲルトが留守番の時に他のお客さんがいるとカップを割るのはよくあることだから。
伸びながらそんなことを考えた刹那、宿に響き渡る悲鳴>>16。]
(…えっ?)
[シモンも眠りから醒めていたならば、顔を見合わせただろうか?
悲鳴に明らかな異常を感じ、部屋を飛び出して悲鳴の聞こえた方へ走った。**]