― 暫し前:ディークの執務室 ―[奇妙に静かな執務室に、新兵の嗚咽ばかりが響く。迎えには行けないと、どこか空虚でかさついたディークの声。視線は交わるものの、白く血の気の引いたディークの顔を長くは見て居られずに、双眸を伏せて。] 一刻。 ………了解しました。[短く答えて頷いた。>>109それ以上何かを口にして、彼が意識向ける領域を奪うことは本意ではないと、目礼だけを返す。新兵達を促して扉に手をかけ、一度振り返り――執務室を辞した。]