[ 最初から、長く待つ気は無かった。敵陣の真っ只中に、単身で飛び込んでいく無茶無謀は止められないにしても、最後まで大人しく待ってやる義理はない。 ]突破するぞ。軽歩突入!前騎兵は左右展開![ 王国側の誘い込みに乗って突入した騎兵隊が、十分とは言わずとも道を切り開いたと判断すると、男は、クレメンス将軍に『後は頼む』と、合図を送らせた。そして、後衛の騎兵100騎を連れて、まさに、王国軍の壁の内に突入しようとしたところで、コエが届いた。 ]