― 飛行船 ―[クレメンスの声がどんどん小さくなっていく>>5:330。願うような声、けれどその先は紡がれずに]───── っ 、 ぅ……[支えているが故に分かる、消え行く鼓動。滴る赤い雫も勢いを弱め始めた]……っ、ニー ル、もう しばらく、飛んでやって くれ[既にクレメンスの瞳は閉じられてしまっているが、もっと見せてやりたいから、と。ニールもその意を汲んで、しばしの間、クレメンスの魂を運ぶかのように飛行船はナミュールの空を漂った]