― 騎士公館・出立の前 ―ヤコブ、ちょっといいか。[出立の前、イングリッドを待たせてヤコブを呼びとめた。何かという顔に向け、手短に用件を告げる]血を少しくれないか?[願ったのは指先の1滴ほどの彼の血だった。生命そのものの雫に差し出されたのは、透明な石片。彼の指をその石に差し出させて、呪を唱える]