― 前夜・弔いのあと ―
神父様、お疲れ様。
[青白い顔をした男は、酒臭い息を隠そうともせずにジムゾンへ話しかけた。
何も腹に入れないまま煽ったアルコールは、本来ならば普段より酔いを加速させるはず。しかし未だ男の頭はハッキリしていた。]
お前は、お前だけは絶対死ぬなよ?でないと俺が困る。
[何がどう困るのか。肝心なことを濁して薄く笑った。
少なくとも自分が生きている間は、ジムゾンが”人狼に襲われて”死ぬことはないだろうと思っているが、万が一疑われてしまったらと思うと、声をかけずにはいられなかったのだ。
死を強く意識する儀式に参加した直後は特に。]