[左腕に楽器のケースを、先程はパンもだったが――…
右腕を動かさないこの有様の、言うまでもない状態を伝えることはしなかったが。
ドロイドとの交戦にも怯まず第一エリアへと駆けて行ったその時の様子と、今の彼とを見比べれば。
顔つきに宿るようにも見える、どこか張りつめた影は、事態の深刻さを重々承知している者のそれにも見えた。]
メリーの方は……って、聞くまでもないよな。
そこのギター……何だ?>>6
あんたのにも見えねえが。
[机に置かれたそれが気にかかったのは、楽器だからということもあるし、何故いま楽器を、と思ったということもあるが。
それをしっかりと抱え込んだ片腕だとか。>>6
机に置いた、その手が。
誰かの残した、かたちあるものを、取り扱う者の指のように――…
そうすることが出来ない青年の目には、見えたので]*